めもめも

これまで得られた各ポリマーにおける消光リングのAFM画像に対して、試料表面における高さの変化の測定を行いました。
まず、こちらの図の説明をさせて頂きます。
こちらは消光リングのAFMのHeight画像で、こことここで高さの高い部分、ここが高さの低い部分になります。
この黒い線に沿って高さの変化を測定したものがこちらのグラフになります。
こちらの画像とグラフで同じ色の矢印がそれぞれ対応しています。
まず、ラメラが立っている部分、edge-onの部分の高さの変化の測定を行いました。
山と山の間隔、一つの山のフィブリルの幅、山と谷の高さの変化をこちらに示します。
ここではPBAS/PEG6対4ブレンドの測定結果を示しています
測定結果から結晶化温度が増加するにつれて、全ての値が増加していました。


次に、消光リングの周期について測定しました。
消光リングの周期、edge-onの部分とflat-onの部分の高さの変化をこちらに示します。
ここでも、それぞれの値は結晶化温度が増加するにつれて増えていました


最後に、谷の部分におけるラメラの厚さを測定しました。
ここではflat-onの部分において観察されたラメラをこのように測定する事でラメラ一枚のおおよその厚さをみる事ができます
ですが、多少の非晶成分は含まれる事が考えられますので、正確な一枚のラメラであるとは言えません。
測定結果をここに示します
ここでも、それぞれの値は結晶化温度が増加するにつれて増えていました
こちらの値がほかに比べて大きくなっていますが、これは非晶成分がまだ残っているからであると考えられます
ここでも、結晶化温度が増加するにつれて値は大きくなっていました。

全体を通して、どの値を見ても結晶化温度が増加するにつれて値が大きくなっていました。
また、どのサンプルにおいても同様な傾向が見られました。

ここで、ラメラ厚と結晶化温度の関係について述べたいと思います。
高分子の結晶化において、ラメラ厚と過冷却度の依存性は普遍的に観察されてきました。
ラメラ厚と過冷却度の関係はこのように表されます
過冷却度とは融点と結晶化温度との差なので、結晶化温度が増加するにつれて過冷却度は減少します。
こちらの値と先ほど示したedge-on部分におけるフィブリルの幅の値と比較を行いました。
この二つの値を比較する事で、一つのフィブリルに含まれるラメラの枚数を見積もる事ができます
どのサンプルにおいても、おおよそ3~5枚のラメラが積層した構造をとっている事がわかりました

これまで、構造解析を行う手段としてエッチングという方法が多く用いられてきました。
エッチングとは非晶成分を酸や塩基を用いて溶出させることで、結晶成分のみの観察が可能になります。
本研究ではそれを応用し、副成分であるPEGのみが可溶な溶媒を用いてサンプルを処理する事により主成分であるPBASの結晶構造のみを観察できるのではないかと考え、実験を行いました。

属性

BPチョコの期間だけですが、火になってます
(常時わっほーなんて人がいますが、あたしには無理ですw
剣でバシバシ斬ってるのが好きなんです。
でもなんかカーツってウホウホ言っててかっこわるい・・・・